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パジャマを毎日着ている私の話

2020.08.03

タイトルが唐突なのは、書いている私自身が一番分かっている。

ふとパジャマを着ながら、テイを良く言えば”在宅ワーク”と呼ばれる家での仕事を片手間に文章を書き始めている。

 

パジャマやルームウェアに囲まれた環境で一日の多くの過ごし、多くのお客様へ接客をし、販売を行う。

そんな私が、私自身へのプレッシャーではないが、問いかけとして思うことがある。そんな事を認めて(したためて)みたい。

 

 

「寝るときにはパジャマを着た方が良い」

そんなお節介とも思えるセリフを良く耳にする。そんな事は分かっている。だが、一般の女子の部屋を思えば、寝る時にパジャマを着るのが”普通”という一方的な固定概念は忘れ去った方が良いだろう。

 

「着慣れたジャージと、お古のTシャツ。」

寝る時に着るにはそれくらいで良いだろうと思えてくる。そう考えている女子がほとんどなのではないだろうか。

そう思えば、「寝るときにはパジャマを着た方が良い」というテイの良いセリフは、パジャマを着る事を”文化”として根づかせる以上に、パジャマメーカーによる”マーケティング”の一貫なのではないかと懐疑的にならざるをえない。どこか押し付けがましいセリフに鬱陶しささえ感じてくる。

 

実際に、2020年9月3日には”秋の睡眠の日”と言われる日がある。

※睡眠の日は睡眠健康推進機構が平成23年に睡眠に関する正しい知識の普及・啓発を目的に定められました。

 

 

人は誰だって眠りにつく。睡眠をとる。わざわざ、そんな日を作らずとも、毎日の睡眠があるじゃないか。

どこか「睡眠」というキーワードにさえも斜に構えて考えているような気がする。

 

しかし、「毎日の睡眠」と私自身で心にボヤいたセリフにハッとさせられた。何気なく過ごしてるという表現が正しいのか分からないが、毎日のルーティーンのように過ぎている「睡眠」の時間は、自分の人生で最も長く続けている習慣と言えるのではないだろうか。人間の3大欲求と言われる睡眠欲は、人の日々の営みにおいてはなくてはいけないものであり、必要不可欠なものだ。

 

子供の頃には「成長ホルモンが〜・・・」と両親に言われ、理由も分からずにそれが普通と思い早い時間に寝ていた。しかし、テスト勉強や受験といった青春時代には言われることは少なくなったのを覚えている。一人暮らしを始めた学生時代には、”夜更かし”と出会い、日付が変わる前に寝ることはなくなり、日が変わる前に寝ることがあれば凛々しささえも感じたほどだ。

 

生きていく上での、ライフワークとも思える『睡眠』は人それぞれをよく写し出す。それは、前述にあるように私自身の世代別の寝る時間を簡単にまとめただけでも、どんなライフスタイルを送ってきたのかが垣間見える。私が一方的に、軽視していただけのような気がする。

 

そう思いを巡らせてみると、冒頭にある自分は、いかに浅はかな人間だったのかと恥ずかしくなる。人と睡眠は、人間の生物的学問という側面だけでなく、人それぞれの人生をも写し出す文化的側面もあるのではないだろうか。

 

きっと、”毎日パジャマを着ている”私を振り返ると、一つの習慣であり、ルーティーンであり、身体と心に安らぎを与えてくれる睡眠において大切な行為とあらためて実感する。パジャマを着ることの意味は、もちろん人それぞれだし、私自身の価値観を押し付ける気もない。こうして文を締めくくろうとしている私は、ただ、今も感じている安らぎを少しでも共有したかっただけなのかもしれない。

 

今日も私はパジャマを着て眠りにつこうとしている。

今日のパジャマは1年前から愛用しているワンピースタイプのものだ。こうして、私の睡眠歴史にまた思い出を一つ追加したような気がする。