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パジャマが導くリラックスライフ
2018.09.10
『パジャマ』と聞くと、どこか子供の頃にお風呂上りに母親から着ることを急かされたような記憶がある。懐かしく感じるワードではあるが、大人になるにつれて耳にすることが減ったような感覚がある。
若い頃は、ジャージや、着古したTシャツを寝る時の寝巻とすることも多く、『パジャマ』という存在が遠いものとなっていたのが、その理由だろう。
寝る時間の寝る時の寝巻を怠惰なものにしていることで、大切な休息時間である”寝る時間”を怠惰なものにしてしまっている事に気づくには若すぎるのだろう。
しかし、一度パジャマに袖を通すことを覚えてしまえば、リラックス感はまるで違い、身に着けずにはいられなくなるだろう。
今日はそんなパジャマが導いてくれるリラックスライフについて書きたい。
パジャマの由来
そもそも、パジャマはアメリカ英語からきているようだ。
「pajamas」フランス語では「pyjama」。これらも他所からきていて、どうやらヒンディー語の「パージャーマー」が語源にあたるようだ。そのヒンディー語「paayjaamaa」は、「脚衣(ズボン)」を意味するペルシャ語「Payjama」からきているとの説もあるのでややこしい。
「パージャーマー」はインドの民族服の事を指しており、これをインドに駐留していたイギリス人が寝巻きとして用いたのがきっかけで、世界中に広まったという説がある。
今のヨーロッパでも同様だが、昔のヨーロッパでは、何も着ずに裸で眠るのが習慣でだったそうだ。そんな中、パジャマは絹、木綿、麻など肌触りや吸湿性の良い素材から作られ、昔から着る人に安心感を与えていたとも言えるだろう。
その後、一年中暖かい国に住む人々のゆったりとしたスタイルが欧米の寝室に進出したのは言うまでもないだろう。
では日本におけるパジャマの由来を辿ってみよう。
「寝巻き」これは着物に由来していると言われている。寝巻=寝間着とも書くようで、字面そのまま寝る間に着るものということを意味している。
ホテルや旅館、温泉で見られる浴衣は身体をくるむ=巻くというところから、連想しているという。日本の風習が深く関わっていると思うとおもしろい。
ヨーロッパでは寝巻の存在を、ネグリジェやナイティといった表現をする。
フランス語の「neglige」に由来があり、「だらしない服装」という意味があるとか。フランス人的感覚でいれば、決して人前には出られませんよね。ナイティはその名の通り「nighty」。つまりは夜に着るものと位置付けられ、ややセクシーなイメージを連想させてくれるだろう。
パジャマのもたらす寝心地
「パジャマを着るだけで、寝心地が違う」そんな決め台詞は本当なのだろうか。
ワコールの調べによると、「7割以上の人が”自分の睡眠に満足していない”」というデータが発表されている。確かにどんなに長時間寝ても、熟睡してないと次の日にもだるさが残ったり、不調な感じが続くのは誰もが経験済みだろう。
寝つきを良くして、ぐっすり眠る工夫のひとつに、最近ではあらたにパジャマという存在が見直されている。
そもそも寝るときにパジャマを着るのは、身体を締め付けず、汗や湿気から守りながら楽な体勢で眠るためのものだ。一方では、入浴後にパジャマに着替えて眠ることはカラダを清潔に保つという意味もある。
さらに、パジャマに着替えることで、眠りへのスイッチが入り、心身ともに睡眠モードになる。そんな効果も謳われている。
睡眠の儀式とも言える準備やルーティーンがあることで「上手にONとOFFが切り替わり、スムーズな寝つきへとつながるのです」とワコールの担当者も語る。
では、快適なパジャマの条件とはどういうものなのだろうか。
寝る時の快適さを測るキーワードに『動』『温』『触』というものが存在する。要は自由に寝返りが打てて、寝ている間に着乱れしないものだ。そして、夏は熱を逃がして、冬は寒さを感じない素材のもの。更には肌触りが良い素材で、リラックスできるもの。この3つの快適を測る軸が、心地よい眠りに誘うパジャマの指標と考えて良いだろう。
パジャマは安眠や快眠を導く存在と言っても良いのではないか。